株式会社おおち山くじらとは

株式会社おおち山くじらとは

1. 理念

① 自然と共存・共栄する

 〜野生動物を「害獣」ではなく、「生命あるもの」として扱う〜

猪
私たちは、美郷町で駆除捕獲された猪の約80%を回収・処理し、その肉や皮を地域資源として役立てる取組みをしています。美郷町では毎年一定数の猪を駆除することに成功していますが、猪を撲滅させることを目的とはしていません。野生動物の生息環境を守りながら境界線を設け、共に生きることを目指しているのです。
私たちは、そんな美郷町民の想いを受け、生命あるものを地域資源として大切に活用することで、自然と共存・共栄することを目指しています。

 

② 衛生的で高い品質が担保されるシステムを確立する

 〜安全・安心なイノシシ肉を安定的に供給するために〜

解体の様子
私たちは、年間500頭前後の野生猪を食肉処理しています。野生動物ゆえ、衛生的な処理を行うにはクリアしなければならない課題、準拠すべきガイドラインや法令があります。
私たちは、その課題と真摯に向き合い、安全・安心なイノシシ肉を消費者の方々に届けることを使命と考えています。

 

2. 事業内容

① 野生猪の食肉処理

美郷町もしくは近隣市町村で捕獲された野生猪を、処理施設に搬送・食肉処理し、全国に出荷しています。

おおち山くじらのイノシシ肉はコチラから購入できます。

② イノシシ皮の革利用

食肉処理したイノシシの廃棄物である生皮をタンナー(皮なめし業者)に加工依頼し、できあがったイノシシ革を地域資源として役立てています。

③ イノシシ内臓のペットフード利用

食肉の基準はクリアしているのですが、硬い・脂が入っていない等の理由で利用されないイノシシ肉をペットフード業者に出荷し、犬や猫のための商品に役立てています。
また、ペットフードとしても活用できない内臓や骨等の部位は、鶏のエサとして利用しています。さらに腐敗や銃弾混入等の恐れがあり鶏のエサにもできない個体はセメントの原料として活用しています。

3. 組織概要

名称:株式会社おおち山くじら
代表:森田朱音、石崎英治
設立:2017年9月
住所:〒699-4626 島根県邑智郡美郷町乙原363
電話:0855-75-0887

4. 沿革

1990年: 島根県県央部において、猪による農作物被害が深刻化
1999年: 旧邑智町においてそれまで猟友会に一任していた害獣駆除体制をやめ、狩猟免許を取得した農家を中心に駆除班を結成
近畿中国四国農業研究センターと旧邑智町が協力し、獣害対策を研究
2003年: 近畿中国四国農業研究センター協力のもと、駆除捕獲した猪を食肉利用するための研究を実施
2004年: 前身となる おおち山くじら生産者組合 設立
美郷町 町制施行(邑智町・大和村の合併)
(2006年以降、おおち山くじら惣菜倶楽部、青空サロン市場、青空クラフトなどの関連団体も順次設立)
2012年: 「鳥獣被害対策優良活動」農林水産大臣賞 受賞
2013年: 近畿中国四国農業研究センターと美郷町が「獣害問題対策の研究成果を全国に発信するための包括的研究連携協定」を締結
2014年: 株式会社クイージと業務提携を結び、製造体制の安定化と販路の拡大を目指す
2015年: 株式会社クイージ、美郷町と「地域活性化包括連携に関する協定」を締結
2017年: おおち山くじら生産者組合より、事業譲渡を受け、株式会社おおち山くじら設立。なお同年、生産者組合は解散
2017年: 美郷町と『産業活性化連携協定』を締結
2018年: 西日本豪雨により邑智食肉処理加工場が床上浸水したものの同施設を復旧し事業再開
2020年: 水害にあわない高台(島根県邑智郡美郷町乙原363)に食肉処理場を建設・稼働開始
現在: 厚生労働省が推奨する「野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針(ガイドライン)」を参考に衛生管理を行いながら、年間約500頭の猪を処理、流通させている
   

5. おおち山くじら通信配信中

おおち山くじら通信事務局として、年4回程度、おおち山くじら通信を配信しています。
バックナンバーの確認、配信希望の方は以下より詳細をご確認ください。
 【おおち山くじら通信】バックナンバー 
 【おおち山くじら通信】ご登録フォーム 
 

6. おおち山くじら事業紹介動画

7. スタッフ

森田 朱音
森田 朱音 (株式会社おおち山くじら 代表取締役)
2014年に美郷町に移住(福岡県福岡市出身)
2017年に「株式会社おおち山くじら」立ち上げ。起業以前には、全国各地の地域活性化の取組みに携わってきた経験を活かし、地域と地域住民が活躍できる場づくりを模索しています。役場や地域住民との調整を一任されている「みんなの姉さん」です。
石崎 英治
石崎 英治 (株式会社おおち山くじら 代表取締役)
1978年生まれ。北海道大学大学院農学研究科で林学を修めるが、研究フィールドの天然林がひと冬でエゾシカに食いつくされたのを見て、研究対象を森林からシカに変える。国内狩猟肉の製造や卸売業を営むクイージの代表取締役を兼務している。また、シカやイノシシなどの野生獣肉を〈伝統肉〉と再定義した「NPO法人伝統肉協会」理事長として、獣肉食文化の普及啓発にも尽力中。
じ りょう
嵇 亮 (株式会社おおち山くじら 取締役)
2016年にIターンで美郷町へ移住(神奈川県出身)
イノシシ肉生産における品質・衛生・安全管理の責任者です。実は研究機関に在籍していたこともある生物学のスペシャリストです。
木下
木下 実生
福岡県出身、2020年4月から地域おこし協力隊として着任。
2023年4月(任期満了後)に入社。
学生時代には北海道でエゾシカを研究対象とし、主に野生鳥獣の肉の利活用に関する研究を行いました。
趣味は道の駅巡りと楽器を弾くこと。現在は畑づくりにも挑戦中です!
五藤
五藤 佑一 (地域おこし協力隊)
岐阜県出身、2020年に地域おこし協力隊として美郷町へ移住。
2023年5月(任期満了後)に入社。
前職は飲食店に務め、現在はおおち山くじらの猪肉を使ったレシピを開発中。
デカい体格の割に小心者なので温かい目で見守ってください。食べることが大好きです!