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NHKスペシャル「獣害を転じて福となす」放送を経て
おおち山くじらの代表、森田です。6月11日に、NHKスペシャル「獣害を転じて福となす〜雅(まさ)ねえと中国山地の物語〜」が放送されました。
今回の番組は、獣害に疲弊する農山村の実情やその対策という枠を超え、
「どうすれば持続可能な地域を作れるか?」
「どうすれば人も動物も生きやすい場を作ることができるのか?」
そんな、社会全体への問題提起だったのではないかと感じています。
今回の番組のキーワードについてまとめてみました。
◆本質をみて、自分で考えて自分で行動する。
・獣害対策の主役は住民。被害を受ける農家は行政やハンター等、他人にどうにかしてもらおうと頼るのではなく、「自分で考えて自分で動く」。
・行政の補助金は時として「自分で考えて自分で動く」そういう働きを阻害しかねない。補助金を使って●●kmの柵を設置しましたというのは、被害対策をしたフリ、獣害対策ではない議会対策。
・男でも女でもどっちの恰好をしとっても、雅ねぇは雅ねぇ。中身はかわらんよ。(トランスジェンダーである雅ねぇに対して地元のお母さんがかけた言葉)
◆共助の大切さ。
・住民同士が気持ちを一つにすることの大切さ。自分の畑だけではない、みんなの畑も自分事として守る。
・(自分一人ではどうしようもないことはある)地域や集落にとって大事なことを猪や猿が教えに来てくれたと思えば良い。
◆自分の役割があるという自信
・町にとって大切な事業であるおおち山くじらの食肉事業をよそ者の自分達に任せてくれていることがとても有難いと思う。(移住者である弊社メンバーの言葉)
・おってええんかな って思える(雅ねぇの言葉)
不可解な相手を悪者にして対立するのではなく、どうしたらお互いが生きていけるのか、なぜ相手はそういう行動、言動をするのか。相手を認め、相手の立場にたって考える。他人の意見や風潮ではなく、自分で考えて、自分で動く。
野生動物と人間の関係性という枠にとどまらず、都会の人間同士、外国との関係性等、人が生きるうえで、どこでも直面する考え方ではないかと思います。
今回の番組の概要を下記からご覧いただけます。
WEB特集「獣害を転じて福となす元気な過疎の町 ~島根県 美郷町~」
また、今回の番組以外でも、「雅ねぇ」や「おおち山くじら」の取組みを紹介いただいた番組のアーカイブを下記からご覧いただくことが可能です。
地域づくりアーカイブ
https://www.nhk.or.jp/chiiki/search/?kw=%E9%B3%A5%E7%8D%A3%E5%AE%B3&page=1&page2=1