「猪」が「イノシシ肉」になるまで
株式会社おおち山くじらは、野生の猪を適切に処理し、お客様に安心して召し上がっていただけるイノシシ肉の製造をしています。
野生の猪が田畑に被害を及ぼすのは春から秋にかけて。この時期の猪は外気温の影響でと体の劣化が進みやすいため、食肉利用しないのが一般的でした。
株式会社おおち山くじらでは、その課題を解決するために、「はこわな」及び「囲いわな」で猪を捕獲し、生きたまま処理施設に運ぶ「生体搬送」を、地域一丸となって実践しています。
「はこわな」及び「囲いわな」は、猪の外傷を最低限に抑え、生きたまま捕獲できるため、食肉利用しやすいという特徴があります。また「生体搬送」で生きたまま猪を処理施設に搬送し十分に血抜きをすることで、衛生的でかつ美味しいイノシシ肉を製造することが可能です。
冬場はわな場に雪が積もるため、「はこわな」「囲いわな」に加えて「くくりわな」で捕獲されたものも処理しています。
いずれの捕獲方法によって捕獲される場合にも、衛生的でかつ肉質の良いイノシシ肉を製造するよう心掛け、従業員が捕獲から肉になるまでの状態を確認しています。そのためにも各工程における記録(トレーサビリティが担保される仕組みづくり)とともに、徹底した衛生管理に取り組んでいます。
搬入から出荷までの工程
1.捕獲~搬送
【 「はこわな」・「囲いわな」捕獲の場合】 |
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① 捕獲狩猟者が「はこわな」もしくは「囲いわな」で猪を捕獲。
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② 処理施設へ搬送(生きたまま)狩猟者が自ら(もしくは、狩猟者から連絡を受けた専属技術者が捕獲現場に向かい)処理施設へ搬送。
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③ 放血専属技術者が、処理施設内でと殺、放血。
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【「くくりわな」の場合】 |
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① 捕獲狩猟者が「くくりわな」で猪を捕獲。
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② 放血専属技術者によると殺、放血。
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③ 処理施設へ搬送衛生的で品質の安定したイノシシ肉を提供するため、と殺から処理施設搬送までにかかった時間やと殺方法などを記録し、製造するイノシシ肉の状態を管理しています。
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2.内臓摘出
① 洗浄イノシシの毛皮についた泥などを、水道水で洗い流す。
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② 内臓摘出専属技術者が、処理施設内で内臓摘出。 施設内で開腹するため、土や河川水からの汚染を防ぐことができます。また、内臓の鮮度も保たれ、食品利用も可能になります。
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③ 洗浄血液による汚染を防ぐため、腹部内側を水道水で洗浄。
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④ 冷却毛皮つきのイノシシを、4℃以下のと体冷蔵庫内に吊るし、体内を完全に冷却。
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3.剥皮、分割
⑤ 剥皮従業員が、頭や尻尾、足先などを切り落し、イノシシの皮を剥ぐ(枝肉となる)。
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⑥ 分割枝肉を半身に分割。
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⑦ 洗浄完全に汚れを落とすため、30℃程度のぬるま湯で、枝肉の表面全体を洗浄。
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⑧ 冷却4℃以下の枝肉冷蔵庫内に吊るし、再度枝肉を完全に冷却。
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4.脱骨~解体
⑨ 脱骨従業員が全国食肉学校発行「食肉処理技法」を参考とした脱骨方法で解体。
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⑩ 成形脱骨後の部分肉を、各部位ごとに切り分けて整形。
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5.パッキング~出荷
⑪ パッキング計量、真空パック後、冷凍。
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⑫金属探知機個体に銃弾などの金属片が入っていないか、金属探知機を通して確認。
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⑬ 冷凍保管-18℃以下の冷凍庫で部位ごとに冷凍保管。
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⑭ 出荷ご注文いただいた部位、重量の商品を保管庫から出庫し、冷凍便で発送。 おおち山くじらのイノシシ肉はコチラから購入できます。 |
イノシシ肉の部位について
季節によって様々な味わいを楽しむことができる『夏・冬イノシシ肉食べ比べセット』も販売しています。
山陰の豊かな自然が育んだイノシシ肉を是非ご賞味ください。
・おおち山くじらー天然イノシシー
https://oochiyamakujira.stores.jp/
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株式会社おおち山くじらでは、日々、衛生的な食肉処理、安全・安心で美味しいイノシシ肉の製造を実践するとともに、他施設への衛生指導・解体手順の指導なども行っています。詳しくは、「お問い合わせページ」からお問い合わせください。